「THANK YOU FOR THE MUSIC!」4/10(日)ソラリズム「花まつり」 音楽に集う皆さんと過ごしたかけがえのない1日をお届け!

前日4/9(土)のソラリズム「野外ライブハウスLOFT」を終え一夜明けた会場は、前日までの熱気がほのかに残りつつも、温かい春の陽気の中緩やかな空気に包まれていました。
「花まつり」と銘打った本開催は、あきる野市秋川渓谷、深沢地域をはじめとした会場周辺の素晴らしい自然を満喫してもらいたいという想いで企画したソラリズムの第三弾。特設の「花まつりステージ」では満開の桃花や桜の花に囲まれた大自然の中でのステージも行われ、温かい空気に包まれる会場でみなさんと今日という日にしか味わえないひとときを過ごすことができました。

「THANK YOU FOR THE MUSIC!」
音楽に集う皆さんと過ごしたかけがえのない1日をお届けします。

■Photo by KOTARO MANABE
■Writer  野呂瀬 亮

暖かな陽気の中、ユルく、かっこいい。 DJ YO-GINのオープニングDJで会場OPEN!

穏やかな雰囲気が漂う会場にDJ YO-GINによる、ユルく、かっこいいビートが響き始めます。周辺に響き渡る気持ちの良い音楽に、会場の多摩あきがわLive Forestへ導かれる坂道を体を揺らしながら降りてくる皆さんの表情も柔らか。
混みすぎない、近すぎない、けれども優しい一体感に包まれるのがソラリズムの醍醐味。これから始まる最高の1日に向けてアーティスト、出店者、そしてオーディエンスのテンションも“ユルく”高まっていくのがわかります。
ソラリズム「花まつり」、STARTまであと少し!

プロデューサー南兵衛とロフトプロジェクト代表加藤梅造によるオープニングトークでソラリズム「花まつり」START!!

本開催のプロデューサーであるアースガーデン南兵衛と前日に「野外ライブハウスLOFT」を終えたばかりのロフトプロジェクト代表加藤梅造がステージにあがり、本日のスタートコールです!
コロナ禍だからこそ野外で楽しめる中小規模のフェスティバルがソラリズムのカタチ。新しい野外フェスのカタチを提唱するふたりによるオープニングトークにオーディエンスも拍手を送ります。
あきる野市秋川渓谷の大自然に抱かれながら、いよいよソラリズム「花まつり」STARTです!

ソラリズムといえばこの人!トップライナーはオオヤユウスケの穏やかなステージから

ゆっくりとアルペジオを弾き始めるオオヤユウスケの静かで穏やかな表情に引き込まれていくオーディエンス。ソラリズムのステージには何度も出演してくれている彼ですが、曲が終わると「気持ちいいー!」と無邪気な顔も見せつつ、いつもりよりなんだかリラックスしたラフなムード。言葉数はすくないながらも、彼の音楽からはたくさんの「物語」があるように感じます。
「オープニングトークで押した分は巻かなきゃだめですか?(笑)」オオヤユウスケ自身もこの素晴らしい会場で演奏をするのがとても心地よさそう。野外フェスではお客さんだけでなく、演奏するアーティストも共にこの素晴らしい環境を分かちあう幸せな空間が生まれるもの。その魅力を体現してくれているような素晴らしいSTARTとなりました。

老若男女を巻き込むDJ YO-GINのロングセット!

オープニングDJとは打って変わって軽快なダンスビートのチョイスでスタートしたDJ YO-GINのロングセット。会場では美味しいフードを頬張ったり、ステージ裏を流れる川で水遊びをする親子やビートに合わせてはしゃぐ子どもたちで賑わいます。
地域住民の方々も多くいらっしゃってくれている今回のソラリズム「花まつり」には、幅広い年齢層のお客さんが訪れていますが、DJ YO-GINの奏でるどこか聴き覚えのあるポップな選曲、それでいて随所に垣間見える彼のテクニックに皆さん身体を揺らして楽しんでいました。
DJ、プロデューサー、サウンドディレクター、音楽ライターでありながらあきる野市養沢でグランピングサイト「WOODLAND BOTHY」(ウッドランドボシー)も主宰しているという彼。ぜひそちらも訪れてみてください!

満開の桜吹雪の中、「花まつりステージ」ではbirdの歌声が響きます!

メインステージから花まつりステージまでの10分程度の道のりは、6月中旬~7月上旬になれば色とりどりのあじさい約10000株が花を咲かす、深沢地区「南沢あじさい山」という紫陽花の名所でもあります。
Guitarに樋口直彦を迎えたbirdは華やかなピンクの衣装に身を包み登場。「お疲れ様です〜はじまるよ~!」と登ってくる来場者の皆さんに声をかけ始まったbirdのステージは満開の花々と風に揺れる木々の中でとても和やかに進んでいきます。
3拍子、ボサノヴァなど多彩な曲調を奏でるクラシックギターの甘い音色に乗せられる彼女の歌声。芯がありながらもしなやかに軽快な旋律を奏で、時おり吹く温かい風に乗せられた桜吹雪の中で緩やかに響き渡ります。終盤にはオーディエンスを巻き込むじゃんけん大会なども開催!終始手拍子に包まれる大盛り上がりの花まつりステージとなりました!

平和を、幸せな日常を想い奏でられる勝井祐二&Yaeのメッセージ

夕暮れに差し掛かろうとしている会場内。少し涼しく過ごしやすい気候となった時間帯に、勝井祐二とYaeがステージに登場します。勝井祐二のバイオリンとYaeの歌声の掛け合いは、二人だけの共通言語のようにその応酬をこだまさせます。
東日本大震災、コロナ禍、ウクライナ侵攻など、この数年間の間に様々な社会問題が多発し、その都度音楽業界のみならず私たちの生活は影響を受けてきました。野外フェスをはじめとする音楽の現場では、ライブ配信などを筆頭に様々な模索の中で新たな音楽のカタチが生まれています。ですがこうして身体全体で音楽を感じ、演者からのメッセージをめいいっぱいに感じ取ることができるのは、やはりこうした「ライブ」の現場なのだと改めて思い知らされます。
これまでも平和と穏やかで健康な日常を想い続けてきた二人によるステージ、オーディエンスのみなさんもそれに応えるように真剣な眼差しを向けているのがとても印象的でした。

「花まつりステージ」をファンキーに彩る佐藤タイジのムーディーなステージ!

大盛り上がりを見せたbirdから繋がれた花まつりステージではもはやソラリズムの代名詞!佐藤タイジの歯切れの良いギターカッティングが鳴り響き始めました!
爽やかで鮮やかな花々に囲まれるステージにの中心で、黒くシックな衣装で演奏する佐藤タイジ。少しだけ夕方に向けてオレンジ色になる日差しの中で、味のあるムーディーなステージが進んでいきます!
会場のオーディエンスは立ち上がり体を揺らしながら楽しむ人や、ゆっくりと腰を下ろしリラックスして過ごす人など、思い思いの楽しみ方で彼のステージを楽しんでいました!
佐藤タイジのステージ無くしてソラリズムはありません。「気持ちいいっすよ!!」そう話す彼のいつもより少しリラックスしたパフォーマンスに会場は笑顔に包まれました!

奇妙礼太郎の優しい歌声で幸せなフェスの夕暮れが訪れます

ひんやりとした空気が会場に流れ込み、いよいよ焚き火も本領発揮という夕方の会場。子どもたちは日中にはしゃぎ回った疲れか、お父さんお母さんの腕の中で大人しくしています。
奇妙礼太郎のサウンドチェックが始まり歌声が響き始めると、ほのかに歓声が上がり始める会場内。ギターをつま弾きながら鳥が囀るような声が、オーディエンスの身体と身体の隙間をすり抜け、あきる野の自然の中へと消えていきます。
「ビールのみた〜い〜(笑)」とはにかんだ表情で口ずさむその声でさえも、耳心地の良い子守唄のよう。オレンジのスポットに照らされ次々と歌を奏でていく奇妙礼太郎の姿を見つめながら、お父さんお母さんの方も少しだけしっとり。幸せなフェスの夕暮れが、最高のフェスの夜へとバトンを繋ぎます。

「音楽」に感謝を。bonobos5人のかけがえのないステージ

 bonobosがサウンドチェックに入る頃には会場は完全に夕闇に包まれ、ステージのライトアップも幻想的な時間帯。先日解散を発表したばかりの5人のステージ上でのやりとりはなんとも仲睦まじく、あっけらかんとしているようで、どこか適度な距離があるようで。各パートのチェックが終わり、4カウントから5人での演奏が始まると、まだチェックなのにも関わらず会場では大きな歓声が上がりました。約20年もの間バンドとして時間を共にしてきた彼らにしか出せないグルーヴが会場全体に渦巻いていきます。
これまでの緩やかな空気感に加えて、彼らを支え続けてきたファンたちの高揚感と何ともいえない切なさが充満する中で始まる演奏。堰を切ったかのように立ち上がり踊り出すオーディエンスとそれに呼応するような5人の演奏は、どんどんエモーショナルな温度へと上昇していきます。「特に言うこともないけれど、ありがたいよね。」「今日のライブ最高じゃない?」そんなちょっとユルいMCでさえもかけがえのないひととき。特に言うことはない。音楽があれば色々言わなくてもわかるから。
4/13(水)配信リリースを予定している「YES (vanguard mix)」なども披露しつつ、ボリューミーなセットリストの中、会場に溢れるその一体感が「音楽の力」をものがたります。年齢性別問わずに両手を上げ大喝采を送るオーディエンスに見守られながら、彼らの大切なステージは終わりを迎えました。

アンコールはサプライズで奇妙礼太郎が登場!「いかれたBaby」のカバーでソラリズム「花まつり」は幕を下ろしました!

bonobosの演奏が終わっても拍手は鳴り止まず、皆がステージを見つめながら5人の登場を待ちます。5人の演奏する姿を1秒でも多く目に焼き付けたい、大歓声の中で会場に今日一番の一体感が。
そんな中笑顔でステージに上がる5人。機材のチューニングをしつつ目と目を合わせてアンコールステージの息を再び合わせていきます。「皆んなでなんかやってよって言われたので、この曲をやろうと思います!いかれたBaby!」Vo蔡忠浩の声掛けに大興奮に包まれる会場に、フィッシュマンズの名曲「いかれたBaby」のイントロが響きます!
「そしてゲストをお迎えします!奇妙礼太郎!!」再び蔡忠浩からの一声でステージには奇妙礼太郎が登場!客席のボルテージはこの日最高潮に上昇!「悲しい時に 浮かぶのは いつでも君の 顔だったよ」両手を上げて大合唱するオーディエンスはもちろん、ステージ上のアーティスト6人もその場に鳴り響く音楽に身を預け、無邪気な少年たちのような無垢な笑顔で演奏をしていました。
その場にいる誰もが、ただ音楽を楽しんでいるこの数分間。かけがえのない、この刹那にしか過ごすことができない最高な時間も、終わりを迎えます。本日の大トリbonobos×奇妙礼太郎のステージが終わりを迎え、ソラリズム「花まつり」は幕を下ろしました。

いつ終わってしまうかわからないから。今、この時間を大切にしよう。

ソラリズム「花まつり」を終え興奮冷めやらぬ会場では、今日という日を共に過ごした仲間とのひとときの余韻に包まれる人たちで溢れていました。フェスティバルが終わってしまった会場の切なさと多幸感。オーディエンスとアーティストの垣根を越えて皆が「音楽」という共通言語で一つになった1日が終わりを迎えます。
「この会場も10年後にはどうなっているかわからない」そんな本開催のプロデューサー南兵衛の言葉もありましたが、「いつ何が起こるかわからない」今あるものが当たり前でないこと。何かのきっかけで和たちたちの生活はいともたやすく一変してしまうこと。それを私たちは痛いほどわかっているはずだと思います。そんな学びを得た私たちだからこそ、今あるこのひとときを大切に、かけがえのない今日という日をめいいっぱいに楽しんでいくべきなのではないでしょうか。そんな気持ちを「音楽」を通して共有できた本開催だったと思います。
満開だった花々もまた数日すればその花を落とし、すぐに新緑の季節がやってきます。今この瞬間にしか味わえない春の音楽フェスティバルを分かち合えたことを心より幸せに思います。

「THANK YOU FOR THE MUSIC!」
それ以上特に加筆する必要はないでしょう!
ご来場いただいた皆様本当にありがとうございました!
次回ソラリズムは同会場にて、5月21日(土)ソラリズム「野外ライブハウスLOFT」22日(日)ソラリズム“SPRING”パーティーです!

5月21日(土)ソラリズム「野外ライブハウスLOFT」
5月22日(日)ソラリズム“SPRING”パーティーの各イベントページはこちら!

5月21日(土)ソラリズム「野外ライブハウスLOFT」

5月22日(日)ソラリズム“SPRING”パーティー

4/9(土)ソラリズム「野外ライブハウスLOFT」開催レポート
「LIVE HOUSE IS NEVER DIE!」音楽とライブハウスを愛する豪華アーティストたちによる最高のステージの様子はこちら!