2022年のソラリズム最終日となった11.20(日)「トーキョーマウンテン“山遊び” powered by ソラリズム」。会場には、地元五日市を代表して出演したAGRI CRAFTや同じく地元あきる野出身岸野一がBaをつとめるThe Firewood Project、また八王子を拠点にソラリズムにも多大な力を貸してくれている勝井祐二に、日本のパンク・ロック界を牽引し続けているLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS など注目のアーティストが集い、「山遊び」の最終日を大いに盛り上げました!
“雨ニモマケズ”あきる野に灯った温かな炎。皆で大切に薪をくべあった温かな1日の様子をお届けします。
■Photo by Ryohei Takahashi
SEと共にAGRI CRAFTがステージに登場。少し小雨の降る会場に馴染んでいくような演奏が二日目のスタートを告げます。
昨日とは打って変わってしっとりと情緒的な雰囲気が漂うあきる野の山遊び。焚き火のようにじわじわ燃える、内側からじんと温まっていくようなメロディーと言葉響く中、子どもたちは自然の中を無邪気に飛び回っていました。
お客さんはカラフルなポンチョに身を包み少しずつ小雨が強くなる中、「3・2・1、拍手〜!!!」熱血大道芸人 ドラマチック・ガマンの声に喝采が贈られます。その技はもちろん、その底抜な明るさに自然と笑顔がこぼれる瞬間。音楽を含めエンタメに余計な考えはきっといらないのでしょう。ただ面白い、ただ心地いい、そんな時に釣られて心が揺さぶられる、そんな「遊び」の本質を見せてくれた大道芸人たちには惜しみない歓声が向けられました。
続いてステージに現れたのはこでらんに〜。先日の「トーキョーマウンテン“森と踊る”」では民謡クルセイダーズのアクトとして客席を盛り上げたフレディ塚本が再びマイクをとり、津軽三味線と太鼓の音色に乗せて民謡を歌い上げます。
ステージ前に集まり、各地の民謡に合わせ盆踊りを楽しむお客さんたちの表情はなんとも和やか。地元の五日市音頭では会場一体となって身体を動かし、ステージを温めました。
雨脚が強まる中、The Firewood Projectのステージ前には多くのお客さんが集まり、静かにセッティングを進める彼らの演奏を待ちます。The Firewood Projectがライブフォレスト自然人村のステージに立つのは2年ぶり。Ba.岸野の地元あきる野の家族や知人も多く駆けつけ、温かな雰囲気の中で演奏はスタート。
Gt.Vo平林の切なげな歌声を牽引していく叙情的でありながらも芯のある太いDr.山崎のエイトビート。倍音が残響するアルペジオにはGt.山﨑のエモーショナルなリフが乗せられ、太くタイトな岸野のベースが轟音で拡張するギターのボトムを引き締めます。
「あきる野にはライブハウスがないんで、こういった場所に呼んでもらえて嬉しいです」。そんな岸野の言葉をありつつ、彼らの初音源『Keys & Lights e.p』のオープニング曲「Behind The Door」を含むロングセットを披露。焚き火の燃える山の夜を温めました。
オレンジの灯りの下、オーディエンスが厳かに見つめる先では勝井祐二のソロライブがスタート。幾度となくこの会場で演奏をしてきている彼ですが、漆黒の森を背に雨音と共に響くドープな旋律は、これまでともまた一味違った心象世界を映し出していきます。
たくみにエフェクターを使い様々な音色をディレイさせていく勝井祐二。リラックスした時間を過ごすお客さんたちも思わず手を止め、深く潜っていくようなそのステージに魅せられていました。
大トリのLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSに向けて、独特の緊張感と期待感が高まります。
爽快なツービートと共にメロディックな歌声を放つLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS!いよいよ「トーキョーマウンテン“山遊び”」の2日間を締めくくるステージが幕を開けました。
Ba.Vo.市川に加えDr.に山﨑(fam、The Firewood Project)、Gt.に渡邊忍(ASPARAGUS)を携えた3人編成でのステージ。客席のオーディエンスはキッズのように両手を掲げ、立て続けに演奏される彼らの音楽に身体を預けて踊っていました。
「またここで会おうね!」そんな市川の言葉で一度は締めくくられたステージも、客席からの熱いアンコールで再演!楽しそうに飛び跳ねながらコールアンドレスポンスに応えるオーディエンスにさらに熱量を上げるLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSのステージは加速し続け、この日1番の大喝采の中「トーキョーマウンテン“山遊び”」はエンディングを迎えました!
最終日となったこの日、都心から60分と謳ってきた本開催でしたが、会場には多くの「地元の人たち」が訪れていたのが印象的でした。豊かな自然やに恵まれたあきる野という街には近年移住者も多く、地域の人々もそれを温かく迎えながら街全体で新たに魅力的なコンテンツを産み続けてる。この街に生まれ育った人でなくても「地元」として受け入れてくてる懐とポテンシャルがここにはあって、その土壌の上にだからこそ「新しい遊び」が生まれるのだと、この2日間を通して改めて実感しました。
ソラリズムの始まりという小さく灯った火に絶えず薪をくべ続けた2022年。多摩あきがわライブフォレスト自然人村にお越しくださった皆さん、またいつでもこのあきる野という「地元」に帰ってきてください。
来年からも絶えず丁寧に手を加えながら、また皆さんにその狼煙が届くようさらに大きな炎へと育てていきたいと思います。この1年間本当にありがとうございました!