美しい森と溪谷に響く歌声、山と心を震わす太鼓とビートの鼓動、山だから野外でこその音楽ライブと、ワークショップなどの山遊び体験を提案する「トーキョーマウンテン“山びこ響く“」。GOMA & The Jungle Rhythm Section、Polaris、日食なつこ、KenKen with GIVE UP GUYS、bird、ラセーニャス 等の山と心を震わすビートの鼓動が東京の山に轟きました!
250人もの皆さんにご来場いただいた本開催。素晴らしい音楽と地域の魅力、そしてMusic Loverな皆さんが集って過ごした“山びこ響く”秋の1日をお届けします!
■Photo
・ayami sakamoto
Instagram @iam_ayam_
・折井康弘
Instagram @ooooooorii
オープンに合わせて集まり始めるお客さんの輪の中にさとうこむぎの透明感のある歌声とウクレレが響き始めます。“山びこ響く”トーキョーマウンテン2日目のスタートを知らせるこの日最初の演奏。ステージを囲んでゆったりと音や言葉に耳を傾ける皆さんの様子と、柔らかな日差しが何とも穏やかな1日の始まりです。
この日に合わせたくさんの新曲を用意してくれたさとうこむぎの演奏が終わり、続いてヨガのワークショップが始まります。秋川渓谷の澄んだ空気と川のせせらぎを深く吸い込みながら大きく手を広げる皆さん。トーキョーマウンテンにふさわしい和やかなひと時が広がりました。
メインステージでは軽快な鍵盤と一緒にエモーショナルな歌声と言葉を投げかける日食なつこの演奏が始まります。本年3月に日比谷公園で開催した「ソラリズムOPEN AIRキックオフ」以来約7ヶ月ぶりに私たちのイベントに出演してくれた彼女。彼女の紡ぎ出す独自の言葉たちは温かい和音に乗せられ、静かに見守る会場の皆さんのもとへと運ばれています。
「今日はぜひ第6感まで使ってめいいっぱい楽しんでいってください」そんな彼女のMC。夕暮れの山はまた日中と表情を変え、私たちの感受性に優しく憩うようでした。「皆さんを夜へと送り出したいと思います」、夜のお祭りに向けてその情緒を増していく彼女の歌声に会場は歓声に包まれました。
birdがステージに現れアコースティックギターの音色に手拍子が合わさるサブステージ。椅子に腰掛けて身体を揺らす彼女の笑顔に釣られて歓声が上がります。気が付けば午後の4時。心地よさそうにしている皆さんに寄り添うような穏やかなメロディーが、秋川渓谷を夜の入口へと誘います。
少し肌寒くなってきた会場には、焚き火のはぜる音やワークショップを楽しむみなさんの声、様々な音が彼女の演奏と仲睦まじく寄り添い合います。目を閉じて伸びやかに歌い上げるその姿を見つめるオーディエンス。フェスティバルならではの暖かい音色が秋の山に響き渡りました。
「いい時間になってきたね」そんなオオヤユウスケの声と一緒にゆっくりと演奏を始めるPolaris。太く分厚いベースの重低音にのせられる煌びやかなアルペジオの音色。オオヤユウスケの優しい歌声が暗闇に包まれる会場を満たしていきます。深いリバーブに包まれる彼らの演奏。「みんな起立!」そんなMC客席は一斉に立ち上がり、ステージを見つめる人たちの黒い陰影がゆっくりと揺らめきあう姿が印象的でした。
「最後に今の季節にぴったりな曲を」そんな言葉で始まったのはフィッシュマンズの名曲「SEASON」のカバー。季節の変わる秋川渓谷に、涼やかなギターの音色とドクドクと静かに脈打つようなキックが鼓動し、会場は緩やかな一体感に包まれていきました。
メインステージを飛び出し、DJブースの前に登場したKenKen with GIVE UP GUYS。彼らを取り囲むように一気にオーディエンスたちがなだれ込みます。重低音で唸り始めるダンスミュージックに合わせて3人ものパーカッションがけたたましくリズムを刻み、フロアは一斉に踊り始めました。互いに呼吸を合わせながら凄まじいセッションを次々と繰り広げていく彼らの熱気にこの日1番の盛り上がりをみせるオーディエンス。
「こうしてまたみんなで音楽を楽しめるようになったのも、主催、アーティスト、そしてこうして会場に来てくれるみんなのおかげです!」そんなKenKenの言葉に会場の皆さんは大きく歓声をあげます。焚き火と熱いセッションを囲んでめいいっぱい楽しむ皆さんとこの時間を分かち合えることを、私たちも心から嬉しく思います!
2日間のトーキョーマウンテンサブステージの大トリをつとめるのは、話題の打楽器集団ラセーニャス。様々な楽器を手にステージをいっぱいに埋め尽くすメンバーたちの姿はまさに圧巻!中央指揮者の大きな腕の一振りで轟音の演奏が地鳴りを上げ始め、緩急をつけながら身体全体で音を叩き出していく彼らの熱気に会場は圧倒されていきます。どんどんとハイになっていくステージに合わせてオーディエンスも大きく身体を揺らしていました。
焚き火の炎に照らされたステージから轟く打音が、山々に囲まれた夜空にこだましていく祭りの終盤。さらに加速していく演奏はいよいよクライマックスを迎え、トーキョーマウンテンのサブステージは幕を下ろしました。
暗闇に包まれるメインステージにGOMAディジュリドゥの音が響き、The Jungle Rhythm SectionのパーカッションとVJ mitchelの幻想的な映像が一気に壁となって押し寄せます。凄まじいリズムの絡み合いに合わせてうねるディジュリドゥの音色。ステージ前にはオーディエンスが集まり、両手を大きく広げて身体を揺らしていました。
演奏がヒートアップしてくるに連れVJ mitchelによる映像世界も加速していきます。殆どMCを挟まず、間髪入れずに楽曲を展開していくGOMA & The Jungle Rhythm Section with VJ mitchel。BBQやお酒を楽しみながら、生き物のように色彩を変えるステージにカメラを向けながらこのひと時を遊ぶ皆さんの笑顔が会場に溢れました。
「ここに集まっているみんなは本当のMusic Loverだよ!」そんなGOMAの言葉とともに、大盛況で幕を下ろした「トーキョーマウンテン“山びこ響く”」。KenKenのMCでも語られていたように、一時はほんの数十名程度のの開催規模でコロナの苦境を耐え忍んでいた多摩あきがわライブフォレスト自然人村ですが、15日550人、16日250人、延べ800人もの皆さんと共に森と踊り山びこ響く2日間を過ごすことができ、心より嬉しく思っています。
あきる野市長をはじめ、2日間を通してと地域の皆さんも多数ご来場いただきました。「地域のお祭り」として多摩あきがわライブフォレスト自然人村の存在を受け入れてい下さっていること、深く感謝いたします。ワークショップや地域のアクティビティとの連携に力を入れてきたのも、こうした秋川の素晴らしい自然の魅力を感じてほしいという想いから。アーティストたちの素晴らしい音楽にも力をもらいながら、身体全体で、五感をめいいっぱい解放して西東京に広がる山々や自然の魅力を感じていただくことができたのではないかと思っています。
コツコツではありますが、これからも野外フェスを、そしてこうした地域文化や自然の素晴らしさをお伝えしていければと思っております。2日間を共に過ごしたMusic Loverの皆さん、そしてワークショップや出店に駆けつけてくださった皆さん、本当にありがとうございました!