【出演者対談インタビュー 後編】 ATSUSHI×佐藤タイジ(THE FOURCE)『ソラリズムから“カルチャー”をはじめよう』

2022年3/12(土)~13(日)に開催される“野外LIVE充実プロジェクト”「ソラリズム」。2011年3月11日「東日本大震災」から11年が経つPeace On Earth(以後PoE)に併せ東京都千代田区「日比谷小音楽堂」で新たな音楽フェスがスタートを迎えます!そこでそんなソラリズムに出演する「THE FOURCE」のメンバーから、舞踊家/舞踏家のATSUSHIさんと、ソラリズムの発起人でもある佐藤タイジさん、そしてソラリズム主催アースガーデンの南兵衛を交え3/12(土)のステージに向けて想いを語ってもらいました。後編の本記事では「ソラリズムの可能性」や「日本の文化活動の未来」「THE FOURCEの魅力」などをお伝えします。

「ソラリズムが示す“かっこいい大人の夢”」

南兵衛 「人が集まる場」をコロナで否応なしにリセットしなければならないのって、逆境な反面チャンスとも取れる。「ソラリズム」を通して「なあなあじゃやらない」新しい場づくりの形を世間に提唱できると思う。

タイジ 日本の音楽業界がかなり落ち込んでいるからこそ、「ソラリズム」という概念を広げるチャンスなんだよね。感染のリスクも少なく、日本中でやれる可能性がある。フェスって言ってしまえば単純に「地域の祭り」なんだと思うんだよね。老若男女を巻き込んでいく。

ATSUSHI 確かに自分も今の状況はチャンスだと捉えてる。恐らくTSBを続けてこなかったらソラリズムって発想にはならなかったよね。

タイジ それはそうだね。やっぱりずっと続けていたからこそ転換期もくるわけだし。「大変なんじゃねーの?」とか思うけれど、今まで見たことない景色があって、後世の子どもたちにも絶対良い影響があると思う。

南兵衛 このタイミングだからこそソラリズムのような新しい場を再構築できるんだよね。

タイジ 疑問や不安しかないような時代に「これおもろいんちゃうん」って夢を与えることができるのって、アーティストにしかできないと思うから。そういう場をプロモーションしていきたいよね。おっさんだけど「俺夢あるよ」って姿を見せたい。

ATSUSHI 「あの大人たちかっこいい」って思ってくれたら背中みせる意味がある。
「夢」って今の自分やTHE FOURCEの活動の中でもキーワードになると思うね。

「カルチャーで日本を育てる」

南兵衛 「安全安心」「正確で細やか」って過敏になりすぎて、夢のない窮屈な考え方が蔓延しているのは感じるね。特に日本は神経質すぎて少しマイナスな影響が出てきている気もする。

タイジ 日本人が自負している以上に、世界から見た日本の評価は下がっている認識はある。それはエンタメにしても技術や産業にしても。でも日本にも「凄いやつ」はたくさんいて、その母数は世界と比べても絶対負けてないと思うんだよ。

ATSUSHI 世界でも十分活躍できるアーティストはもっとたくさんいるはずだよね。

タイジ 例えば本当の意味の「流行りの歌」って文化や言語とかを共有し合えるローカルでしか成立しないと思う。「ソラリズム」を通してローカルのシーンからどんどんアーティストが生まれてきたらもっと音楽業界は盛り上がるし、それこそが日本のオリジナリティとして世界からの評価も上がると思う。変に「大衆ウケ」狙うんじゃなくてね。

ATSUSHI 日本のアーティストがもっと認められて、食えるようにしていきたいんです。そのためには国ももっと文化活動を支援するべきだし、アーティストはそれに応えて良いものを作り続けていくのが理想。

タイジ 文化を蔑ろにすれば人間心の活力を失うし、そうなれば当然技術やテクノロジーの進化なんて到底ありえないと思う。だからこそアーティストは常に純粋な「夢」を追いかけていなければならないし、ソラリズムでもそれを体現していきたいと思ってる。

「THE FOURCEをライブする」

南兵衛 最後にソラリズムのステージに向けて意気込みを!

ATSUSHI 何度かライブを重ねる中でオリジナルっぽい曲や踊りも生まれ始めて次のフェーズに入り始めているんですよ。だから3/12が凄く楽しみで。また個人的にも3/11のPoLで「独り踊り」を終えた心境で、次の日THE FOURCEのライブを迎えるのも凄くいい流れだと思っていて。よりエモーショナルなパフォーマンスができるかなと思うんですよ。

タイジ ATSUSHIもソロ活動が始まって、いよいよ「覚悟」を見せていくタイミングだと思う。そうやって想いを言葉にして周りを巻き込みつつ、自分を追い込んで奮い立たせることも大切だね。自分の考えの確認作業だから。

ATSUSHI 確認作業って重要だね。今まで「夢を持ちたい」から未来を表現してきたけれど、「今、ここ」を必死で生きなきゃ未来は無いなって最近凄く思う。それがアーティストだから表現できる「ライブ」だと思うし。

タイジ 今日の話でたくさん共感できることもあるし、そういった想いのメンバーたちが集って震災から11年目のライブができるっていうのは凄く楽しみだね。

ATSUSHI そうだね。THE FOURCEは「グループ」でも「ユニット」でもなくて「集合体」ってイメージで。違うシーンで活動するメンバーそれぞれの想いがステージで一気に渦巻くステージが僕らの魅力だと思う。3/12のステージでもそれぞれの思いがぶつかり合う迫力をぜひ感じてもらいたいです。

音楽ライブ文化復興への “野外LIVE充実プロジェクト”「ソラリズム」とは

全国各地の中小規模の野外ステージや会場を音楽ライブ文化復興の拠点へと整え、「年間を通じた各地での野外ライブの実施」を実現し「野外ライブへのアーティストとオーガナイザーを支援」を進め、ウィズコロナ&ポストコロナの時代の世代ジャンルを超えた音楽の場を拡げるプロジェクト。またその資金として、中小企業庁「事業再構築補助金」など複数の助成金の活用をすすめ、申請のノウハウの共有なども含めてコロナ禍からの音楽ライブ文化復興への輪を拡げていく試み。

〈プロフィール〉

ATSUSHI(高橋淳)舞踊家/舞踏家
1979年2月7日東京生まれ。1996年にストリートダンスを始め、様々なイベントやライブに出演。2001年から約20年間、Dragon Ashのメンバーとして活動し、数多くのビッグフェスでのライブや全国ツアー、そしてレコーディングなどを経験。2001年から2019年まで毎年、国内野外フェス最大級といわれているROCK IN JAPAN FESTIVALで最も規模の大きいGRASS STAGEに出演し続けた。2006年にソロダンサーとしても国内外の各地で活動開始。数多くのアーティストとセッションライブを行い、近年では、美術館や博物館、国宝の社寺など、歴史的建造物でも舞踊を行い、各地の伝統芸能ともコラボレーションも行っている。ファッションショーにも多数出演し、パリコレにも出演。海外では、アジア、ヨーロッパ、アメリカにてパフォーマンスを行い、ロシア文化フェスティバルのアンバサダーを務めた経験もある。2009年に生命力の素晴らしさ尊さを伝えていくプロジェクト「POWER of LIFE」を発起し、代表として活動開始。ライブや写真展などの表現活動を行い、動物保護施設アニマルシェルターの支援を行う。2011年3月11日の東日本大震災以降は、現地に足を運び、復興支援活動を行う。その活動から、2012年には宮城県塩竈市にて野外フェスティバル「GAMA ROCK FES」を立ち上げ、毎年9月に開催している。今までの様々なステージで得た経験により、ジャンルや枠にとらわれない踊りと体をいかしたダイナミックな踊りを信条とし、ダンサーとして、独自な表現者の道を進んでいる。

佐藤タイジ
徳島県出身。ギターボーカル日本代表。太陽光発電システムによるロックフェス「THE SOLAR BUDOKAN(since 2012)」の主宰者。日本の音楽界と再生エネルギー界を牽引する稀有なモジャモジャ頭。「ロックスター」「ファンキー最高責任者」は彼の代名詞。’86、シアターブルック結成。’91、RedHotChili Peppersのフロントアクト。’95、EPICからデビュー。「ありったけの愛」がJ-WAVE.FM802など主要FM局でヘビーローテーション。
ちなみに太陽の愛を歌ったこの曲を歌い続けたことが「THE SOLAR BUDOKAN」のアイデアの源泉。この他、クラブ系ユニット「The SunPaulo」ではエレクトロ。加山雄三率いる「The King All Stars」では主要メンバー。そして高円寺阿波おどりとのコラボ「佐藤タイジ&華純連」は日本の音楽史の転換点となる壮大なプロジェクト。楽曲「踊らなソンソン」はiTunes.Spotifyなどで絶賛配信中。佐藤タイジは間違いなく日本代表ロックスターなのだ!

THE FOURCE
2020年結成ダンサーのATSUSHI、BRAHMAN & OAUのKOHKI(g)、シアターブルックの佐藤タイジ(vo,g,b)、和太鼓奏者の坂本雅幸の4人組。
これまでに代官山の「晴れたら空に豆まいて」で3回のワンマンライブを開催。
2021年12月には京都南座にてイベントに出演。
見事な演奏とパフォーマンスを披露。
コアな音楽ファンや関係者から注目を集めている。