「笑っていくぜ、キメていくぜ、俺たちはまだまだ」5/21(土)ソラリズム2DAYS「野外ライブハウスLOFT#2」は鳴り止まない

小雨の降る5/21(土)。色とりどりのポンチョに身を包んだ人々が集まり、雨に濡れ一層色濃くなった新緑の木々の中で音楽を愛する「キッズ」たちの野外フェスが開催されました。
様々な年代、境遇で音楽とともに生きてきた皆さんとともに分かち合った熱い一体感。
「笑っていくぜ、キメていくぜ、俺たちはまだまだ」
私たちの“この先”に鳴り響き続ける野外フェス、ソラリズム2DAYS「野外ライブハウスLOFT#2」の1日をお届けします。

photo by 髙橋良平
執筆 野呂瀬亮

MCジョー横溝のコールで「野外ライブハウスLOFT#2」がスタート!

MCのジョー横溝がステージに上がる頃、それまで降り込めていた雨も弱まり、客席に集まるオーディエンスからは歓声が上がります!
檜原村に住み、秋川渓谷と周辺へのアウトドアアクティビティーの拠点「東京裏山ベース」代表を務めるジンケンも急遽の参加でステージへ。会場内はこれからはじまるステージへの高揚感とともに、あきる野という地域の守られるべき美しい自然や、そのポテンシャルについて話すジンケンの真剣なメッセージへ耳を傾けます。
「野外ライブハウスLOFT#2」のスタートコール!豊かな自然に囲まれた、ここあきる野市会場多摩あきがわLive Forestでの音楽フェスの1日が始まります!

「ライブにこい!」メインステージトップバッターMOROHAから画面の向こうのあなたへメッセージ

会場の客席はいっぱいになり、いよいよメインステージからMOROHAのパーカッショナブルでメロウなアルペジオが響き始めます。
MCアフロの鬼気迫る、それでいて誠実さと優しさに包まれる強いメッセージとUKのギターにオーディエンスの熱もどんどん高まっていきます!
「雨止んだぜ!でもまた降るんだよ!その上でお前はどうする!」コロナ禍も徐々に収束を見せる中、こうしてまた戻ってきている音楽フェス業界ですが、またいつどんな困難が訪れるかはわからない。それでも大切な大切なものさえ失わなければ、こうして音楽を共有しあえる空間は無くなることはないのだと思います。
今回観に来られなかった方、ぜひまた現場でMOROHAのステージを観にきてください!

「話したいこと」は歌に、タテタカコの言葉と歌声。

「関わってくれている全ての皆さん、今日は歌わせていただきます。寒くなったらあったかい美味しいご飯を食べて、今日は最後までまったりしていってください」鍵盤の旋律に乗せて歌声を響かせるタテタカコ。
雨脚は強まったり弱まったり、まるで演奏の押し引きに応えるかのよう。時に軽やかに、時に重厚な音を奏でる彼女のステージはまるでこの会場の喜怒哀楽を支配してしまったかのようで、オーディエンスは真剣な眼差しでステージに魅せられているのが印象的でした。
「この会場にいる全ての皆さん、本当にありがとうございました。」この日、唯一彼女がしっかりと言葉を投げかけたのは、この音楽フェスを分かち合えることへの感謝の言葉でした。

未来は俺らの手の中。THA BLUE HERBが提示するソラリズム、私たちの“この先”

会場にTHA BLUE HERBのSEが流れると、一気に会場のボルテージは上昇!DJ DYEのビートがオーディエンスの興奮を増長させていく中、BOSS THE MCがステージに上がり、大歓声の中ライブは幕を開けます。
「一緒にぶっ飛ぼう!」宙に向けて腕を掲げるBOSS THE MCの熱いリリックが紡ぎ出すグルーヴとメッセージが会場にループし、笑顔で歓声を上げる人や、目に涙を浮かべる人たちは、音と言葉に感性を集中させながら身体を揺らしていました。
「こだま和文、SION、俺たちの先にはまだまだヤバい奴らがいて、ずっとその背中を示し続けてくれている。ありがたい。俺たちもまだまだ上がってくよ。」
まだまだ進むことを留めないTHA BLUE HERB。「未来は俺らの手の中」、ソラリズムに集う全ての人たちへのリスペクトと感謝の言葉を結びに、鳴り止まない拍手の中ステージはエンディングを迎えました。

こだま和文from DUB STATION with DJ YABBYの演奏に会場はさらに深いグルーヴへ

終盤戦へと突入した会場に響き渡るDJ YABBYのダブビートに会場は一気に深いグルーブが生まれます。それに重なるこだま和文のトランペットの音色。歓声とともに身体を揺らしそのうねりを楽しむ会場は、ぽつりぽつりとつむがれるこだま和文のポエトリーの哲学を咀嚼しながら、ソラリズムの夕闇どきに差し掛かっていきます。
素晴らしい音楽とともに過ごした時間は色褪せないもの。トランペットの音色とビートがこだまし徐々にそのループが熱を帯びていくと、往年のミュージックラバーたちもまるで子供のような喜びに満ちた表情を見せているのが印象的でした。夕暮れのあきる野がエンディングを演出し、大喝采のままステージを終えました。

大トリはSION with Kazuhiko Fujii!熱い一体感の中「野外ライブハウスLOFT#2」メインステージは幕を下ろしました。

辺りは暗さを増し静かな高揚感に包まれるオーディエンス。ステージのKazuhiko Fujiiによるブルージーなギターの音出しが始まると、会場には歓声が響きます。続けてSIONがステージに上がると、また一層に盛り上がるオーディエンス!
いよいよステージが始まりSIONのハスキーな歌声が鳴り響くと、客席は皆立ち上がり、両手を掲げて往年のロックショーを楽しんでいました!
「いつもチャンスをピンチに変えてやってきた、これも皆さんのおかげです」そう話すSION。もうコロナウイルスの文脈も薄れかけている昨今ですが、私たちは確かに致命的なピンチを迎え、そして乗り越え、こうしてまた音楽を楽しむ場にいることができる。逆境があったからだこそ、このソラリズムが始まったのです。
「またここでやりたいね」そんな言葉と共にライブはエンディングへ。これまでの日本の音楽界をまだなお牽引し続けるSIONはまだまだ“この先”を見据えていました。そうしてこの日この時間を共有した私たちもまた同じく、またこの先同じ空間で音楽を楽しめる未来を願い、熱い一体感の中で「野外ライブハウスLOFT#2」は幕を下ろしました。

Bar the Loft Forest StageではLOFTを中心に活動している若手アーティストたちによるライブが!
渡井翔汰が川と森に囲まれた今日1日の物語を紡ぎ始めます。

本日一番目の音が鳴り始める頃にはさっきまで降っていた雨はほとんど降り止み、簡単な自己紹介と少しの静寂の後、静かに渡井翔汰の演奏は始まりました。
しっとりとした会場の雰囲気に寄り添うように切なげなアルペジオと力強い歌声が響きます。
「いつもとは少し違う気持ちで演奏しています」繰り返しそう口にする彼の表情に富んだステージに、オーディエンスもゆっくりと体を揺らして野外ライブハウスの始まりを楽しんでいました。

レイラの心地よいギターと歌声の掛け合いが広がります

レイラのアコースティック編成によるステージが始まります。爪弾かれるアコースティックギターに、エレキギターが重なり、心地よいアンサンブルが広がります。
ライブハウスで見るステージとはまた違った彼らの特別なステージ。
伸びやかな歌声とギターの掛け合いにゆったりと体を預けてオーディエンスの皆さんも楽しんでいました。

「なんかへんかも!?」へんかも節ツインズのユーモラスで和やかなステージ

2人ユニットで現れたへんかも節ツインズは、男性、女性のボーカルでキャッチーなメロディーを奏でます。
オリジナルにオマージュなどを加え、彼らだからこそできるユーモラスでちょっとエモい名曲たちを演奏!時に目を合わせながら思い思いの歌声を響かせる彼らの和やかな演奏に体を弾ませるオーディエンス。
ギターだけでなく、ハーモニカやピアノなどを奏でながらバリエーション豊かなライブが広がりました!

等身大の自分を、宍戸翼の笑顔に溢れるステージ!

熱気に包まれるメインステージとは対照的に、川のせせらぎの中爽やかな宍戸翼の笑顔がステージに現れます。「いつも自分らしくいようと、今も思っています」そう話す彼の歯に噛んだ笑顔と涼やかかつエモーショナルな歌声に会場も笑顔に包まれます。
ライブフォレストの豊かな環境の中での演奏に、アーティストたちも和やかな雰囲気のソラリズム。いよいよ後半戦です!

Bar the Loft Forest Stageのトリはyobai suspects!

夕方と夜のちょうど間、Bar the Loft Forest Stageのトリはyobai suspectsの3人。打ち込みのビートに合わせメロウでアクセントの効いた演奏、それに高音の気持ち良い存在感のあるボーカル乗せられます。
川を挟んだ客席では大勢の人たちが彼らの演奏に耳を傾け、あきる野の夕方を心地よさそうに楽しんでいました。
初の試みのこのBar the Loft Forest Stage、素晴らしいロケーションの中でこれからの活躍を期待されるアーティストたちによるステージの締めくくりとなりました。

「笑っていくぜ、キメていくぜ、俺たちはまだまだ」

アンコールを終えたSION with Kazuhiko Fujiiのステージには、ジョー横溝の声掛けでタテタカコ、そしてTHA BLUE HERBからBOSSが招かれ、「野外ライブハウスLOFT#2」に集まった会場の全員と共に乾杯の声が響きました。
「野外ライブハウスLOFT#2」出演したアーティストは全10組。日本の音楽史を辿っているかのような若手からベテランのアーティストを含め、それぞれの時代を生き、そうしてそれぞれの青春を過ごしたオーディエンスの皆さんがこの会場に集いました。

「音楽があるとこういうことになってしまうんですよ!」

締めくくりにそんな言葉を残すジョー横溝。この空間を通じて違った年代、価値観が交差し、化学反応を生み、またそれぞれの人生を作っていく。日々の生活の中では経験できないそんな現象がおきてしまうのが野外フェスという現場なのでしょう。

いくつになっても私たちは音楽を愛する「キッズ」のまま。無邪気で純粋な皆さんがいる限り「野外ライブハウスLOFT#2」は、野外フェスは鳴り止まない。
「笑っていくぜ、キメていくぜ、俺たちはまだまだ」
ソラリズムの歩みもまだまだ始まったばかり、明日もその先も、共に笑って過ごせる“音楽のある現場”を作り続けていきます。
来場してくださった皆さん、運営に携わってくれた皆さん、本日は本当にありがとうございました!

明日5/22(日)はソラリズム「“SPRING”パーティー」開催!
チケット、タイムテーブルなどはWEBページから!